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先達者の物語

セミナーで得た知識が、長年の夢を後押ししてくれた。
仲道哲也さん(居酒屋 権の蔵)

地元の食材を掘り起こして、料理に活かしていきたい

モダンな赤色の格子が印象的な、西予市野村町の居酒屋「権の蔵」。オーナーの仲道哲也さん(48歳)は、自分の店を持ちたいという夢をかなえるため、27年間勤めた会社を退職し野村町へUターンしました。
仲道さんは高校まで野村町で過ごし、卒業後はレストラン運営会社に就職。転勤で西日本各地を回る生活を続けました。社内コンテストでグランプリを獲るなど調理経験を積んできましたが、西日本地区の統括マネージャーとなったことで管理業務となり現場から離れることに。その頃から、いつか自分の店を持ちたいという夢を抱きはじめます。
その後、二人の息子さんに落ち着いた生活の中で友人関係を築いてほしいと、野村町への移住を決断します。しばらくは単身赴任で仕事を続けましたが、偶然大洲市に転勤になったことで地元の良さを再確認。27年間勤めた会社を退職し、野村町で暮らし始めました。
その頃、回覧板に入っていたチラシで「ジオの恵み活用術 農林水産加工品開発セミナー」が開催されることを知ります。自分が今したいこととマッチングすると思い参加を決意し、その後「営業力・企画力アップ 販売促進とブランディングセミナー」にも参加。無農薬野菜の栽培や食材利用のアイデアなど食の領域だけでなく、事業計画や資金調達、Web活用方法についても知識を深めました。

こうして2016年、居酒屋「権の蔵」をオープン。こだわりの店舗デザインは、事前に精密な模型を手作りして地元の工務店に持ち込みました。趣味のバンド好きが高じて、店内にはライブ用の本格的なステージも完備。ライブの日は、指定席60席が満員になる盛況ぶりです。
権の蔵自慢のメニューは、新鮮な刺身の船盛り。奥様が毎朝八幡浜の市場で仕入れる魚介類は、海のない野村町でも新鮮な刺身を味わえると好評です。更に料理のダシは、カツオと昆布をベースに、野村町で生産の盛んなシイタケを使用。今後は料理などへの活用も探ってみたいとのこと。オープンから2年。来ていただいたお客さんに喜んでもらうことが、大きなやりがいとなっています。

本当は絵の道に進みたかったという仲道さん。その思いを継ぐかのように、二人の息子さんがそれぞれ絵と料理の道に進んでいます。自分が作ったこの場所を、いつか子供たちに引き継いで活用していってほしい。そう語る仲道さんの表情には、家族への愛情と、地元への思いが表れていました。

セミナーで学んだ、消費者目線の大切さ

  • 食材の使い方に関するアイデアや、食品衛生の管理方法をあらためて学びました。
  • 事業計画書や資金調達に関するアドバイスを受けることができました。
  • facebookなどWebを活用した宣伝手法を学ぶことができました。
  • 参加者同士での情報交換など、地元の人とのネットワークが広がりました。

受講生へのひとこと

これまで調理やマネージャーの経験がありましたが、セミナーに参加して、井の中の蛙だったと感じることがたくさんありました。特に、西予市のことを全然知らなかったのだなということを実感しました。これから受講される方も、セミナーを通じて新しい知識や地域の人との繋がりを得ることができ、きっと大きな収穫になると思います。